線型ハミルトニアン
ヘビサイドという人は、演算子法という方法を用いて微積分の計算をしていた。
これがちゃんとした数学ではないと、数学者達から物笑いの種にされていたフシがあるが。
これは$\displaystyle \frac{d}{dx}$という微分記号を$D$に置き換えて、$\displaystyle \frac{d}{dx}y(x)\equiv Dy$などとしたもの。
単純な置き換えになってないのでアレだが、要は微積分の述語体系の方が冴えない手続き型なのである。
はっきり言って、ライプニッツの微分記号などに比べて遥かにシンプルでよいものだ。
微分記号を巡っては、ニュートンとライプニッツが自分の方が優れていると激しく対立したようであるが、どちらも工学的なセンスはない。
実践的に考えれば、ラグランジュかオイラーの記法を使うようになるのは当然だろう。
ここでも、いかに科学への盲目的信仰が真実を曇らすかという例を見る思いである。
だが、ヘビサイドの「数学は実験的科学であり、定義が先にくるわけではない」などという台詞は、サスガに正確な議論による論証を拠り所とする数学界では噴飯物であっただろう。
さて、演算子法によれば(演算子としての)積分記号は$\displaystyle \frac{1}{D}$である。
もうアドバンテージは明確だね。
たとえば$\displaystyle \frac{1}{D}p(x)\equiv \int p(x)dx$てな感じで、変数分離型みたいなモンじゃないの。\(゚`∀´゚)/エンザン ジェ~ム
そして、これが線型作用素ってことだよね。
この$D$の中身をヌルヌル微積可能な関数で実装したものがラプラス変換であり、具体的な計算以前のフェーズにおいて、アーキテクチャを確認するのは$D$でエエわけだよ。
これが、昨日位相的な進捗と表現したものなんだけど。
モノづくり、建設的な世界は見通しがつきゃいつかは終わるのよ。
しかも早い。 だが、見通しのつかないものはやっつけようがない。
だから、技術者は”一枚の絵”を描くこと、描けることが大事。
それが仕事が出来る、出来ないの分かれ目と言っていい。
もちろん、複雑度、難易度は対象により千差万別ですが。
さて、ヘビサイドの階段関数というのは$x=0$で$1$だと思ってましたが、これは$\displaystyle \frac{1}{2}$なんですな。
$x \gt 0$では$1$ナンですガ~。
う~ん。 ここらへんが数学オンチということなのだ。
これはやはり階段関数の微分、つまり平均変化率、連続関数の接線の中間値ということなんだろうね。
シグモイドの芽は出ていたのだ。
その接線を両サイドから狭めて、限りなく$0$に近づいた、のがディラックのデルタ擬似関数なんすな。
つまり、$\displaystyle \frac{1}{2}$の密度を両側積分すれば分布様によらず$1$になりまんがな。( ・ิω・ิ)ナンノコッチャ ( ) ( ) シ~ン
それが、確率解釈ヒルベルト空間でもある。